ピックアップレーサー記者コラム

ピックアップレーサー記者コラム

4320 峰竜太

雌伏の時を経て、2023年10月にSGボートレースダービー(蒲郡)で復活した峰竜太。24場制覇。通算100Vというメモリアル達成の瞬間でもあった。

「生まれ変わった自分をみてほしい」とリスタートをアピール。新鮮な気持ちで臨む九州地区選手権となる。G117優勝の内、九州ダービーはV2。2009年の芦屋と2021年の大村だ。

年間を通じ安定した成績を収めたたった一人に与えられるのが「最高勝率選手賞」だが、峰竜太は2015年から7年連続受賞。そして昨年は年間勝率8.57で、今回8度目の受賞となった。まさにゴールデンレーサーという名にふさわしい存在である。

「努力するのに必死なようでは成功しないと思います。好奇心があって、その先に何があるだろうかと追い求めるならば苦しくはないはず。これからもそうやって前進していきたいです」とつい先日語っている。ボートレース界の頂点に君臨しながら、さらなる高みを目指そうとしているのだ。

今回の舞台芦屋は大得意水面。G1レースだけでも2009年の地区選をはじめ、2016・2017・2019・2020年の周年記念を制している。グランプリ3回目の制覇の物語が芦屋から始まる!


4831 羽野直也

羽野直也は 2017年の最優秀新人として注目された。その年の大村周年記念(10月)で2コース差しを決めG1初優出初優勝。これにより、同県の仲谷颯仁との賞争いに決着をつけたのだ。当然、次代のエースとして期待を集めたものだった。

…が、その後、苦しみを経験する。モーター調整が思うようにいかない期間があったのだ。必死に取り組むものの、接戦で勝てないレースを幾度経験したことだろう。ファンは当然のこと、本人の悔しさは想像にあまりあるが、それこそが現在の安定感のモトになったといってもいいだろう。

2023年は児島のオーシャンカップで5コースからまくり差しを決めSG初タイトルをゲット。一般戦などを合計しV8としているが、その活躍の端緒は芦屋だったことを忘れてはならない。2023年の正月レースと4月末のタイトル戦で勢いをつけたのだ。

現在の勝率8.17はキャリアハイ。
加えて、2023年11月からの来期適用勝率(2024年1月25日現在)は7.63だが、3連対率は72.1%をマークするなどファンへの貢献度はバツグンである。

28歳ながら、もう新人ではない。ボートレース界の代表として九州ダービー初制覇を目指すことになる。


3779 原田幸哉

原田幸哉の記録にひとつ疑問符が付く。
2002年の平和島ダービーをはじめ、2004年の浜名湖グランドチャンピオン、2009年の常滑チャレンジカップ、2021年の蒲郡ボートレースメモリアル、2022年の宮島ボートレースオールスターとSGは5優勝。G1タイトルも18を数えるのに、地区選Vがないのだ。愛知支部に所属していた時代の東海ダービーから長崎支部所属の現在、つまり九州ダービーに至るまでである。意外というほかない。

2023年を振り返り厳しい表情で「思うようなレースができていない」と語る背景には、頂点を取りにいく気概がある。その端正な姿とは異なり内面は闘志で満ちているのだ。

ヤング時代、コースレコードを次々と塗り替えることで存在感を示し「魅せるレース」に徹していたが、その意欲は今も変わらない。
「皆さまからの投票に応えられボートレース人生の幸せを感じています」としみじみ語った宮島ボートレースオールスター優勝インタビューがそれを物語っている。

自身もファンも求めているのは豪快さと軽快さ、そして鋭さを融合させた美しいターン。腰高の日本一美しいモンキーターンが芦屋で見られることだろう。


4350 篠崎元志

篠崎元志が2024年年頭からかっ飛ばしている。
年始の福岡正月レース(新春開運特選レース)も、続く唐津の一般戦(私のイケメン選手権)もシリーズリーダーとしてインから逃げ切っているのだ。この2節の18走で、1着10本、2着6本と実に手堅く上位に食い込んでおり取りこぼしもない。

2012年の住之江グランプリシリーズ戦でSG初優勝を飾った福岡の中心星は、2017年から2023年まで連続でシリーズ戦に出場中。優勝戦2着とした昨年末は、「来年こそ」と気持ちを新たにしたに違いない。

そのレースは果敢で闘志に満ちているが、それは級別の推移にも表れている。以下のとおりだ。
2005年若松デビュー以来、B2級3回、B1級3回、A2級2回、A1級31回。3回のB2の内2回はデビュー当時。もう1回は、肩の脱臼壁を治療するため長期で戦列を離れたためだった。(2019年前期期間)

しかし、続く2019年後期は7.95でA1に復帰。いきなり豪快なレースで、スーパーマンぶりを披露している。
以来、10期連続でA1級としている篠崎元志。未だ果たしていない九州地区選手権制覇の夢実現はファンの願いでもある。多くの期待を背に闘うのが今回の芦屋水面なのだ。


4688 永井彪也

125期佐賀支部22歳の定松勇樹は、今や若手の筆頭格である。
2019年11月に唐津でデビューし5年目だが、今期勝率7.17でA1は3期連続。SG・G1の優出はないが、ここまでV8としている。

2022年9月14日 下関 ルーキーシリーズ
2023年3月13日 若松 ルーキーシリーズ
2023年7月27日 唐津 ルーキーシリーズ
2023年9月15日 江戸川 ルーキーシリーズ
2023年11月2日 鳴門 ルーキーシリーズ
2023年11月12日 多摩川 ルーキーシリーズ
2023年12月12日 江戸川 一般戦
2023年12月28日 丸亀 一般戦
上記優勝歴に昨年の活躍ぶりが表れている。

2024年後期適用勝率は、1月25日時点で7.65。2連対率66.2%、3連対率79.4%は驚異的だが、それを支えているのがイン戦と4コース&5コース戦。以下はその1着率である。
1コース 100.0%
2コース 11.1%
3コース 12.5%
4コース 28.5%
5コース 30.7%
6コース 7.6%

スピードターンを持ち味とする125期勝率ナンバーワンであり修了記念競走チャンプが、芦屋九州ダービーでG1初タイトルを狙う。


5121 定松勇樹

人気と実力はプロアスリートの両輪。ボートレーサーも同じである。ファンが期待し喜ぶレースをしてこそのプロだろう。

そんなプロが105期にいる。渡邉優美である。
昨年2023年は5月の芦屋オールスターがSG初舞台。さらに10月の蒲郡ダービーにも出場した。オールスターは「人気(20位)」、ダービーは「実力本位(52位)」であることを想えば価値が大きい。

現在、6期連続A1級で、A級キープは12期連続。まぎれもない女子実力派だが、その威力はコース不問な点にある。以下は2023年1年間の成績だ。

1コース 1着率67.2% 3連対率87.8%
2コース 1着率24.3% 3連対率75.4%
3コース 1着率20.0% 3連対率70.0%
4コース 1着率23.9% 3連対率73.8%
5コース 1着率9.3% 3連対率69.7%
6コース 1着率3.8% 3連対率30.7%

データからも分かるように、ボートを鋭く内に向け展開を一気にとらえる「差し」が基本スタイルだが、攻めるべきは攻める先行能力も高く信頼度につながっている。九州ダービーで、記念男子レーサーを負かすシーンをぜひ見てみたいものだ。