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ピックアップレーサー記者コラム

「好きな艇番は4号艇。攻めることができる位置なので…」。これは塩崎桐加の言葉だ。全速スタートから思い切りよく攻めるレースは迫力満点。展開待ちはほぼないといっていい。「自分らしいレースをしたい」という宣言がよく理解できる。
産休明けにいきなり5点台半ばの勝率を叩き出すと、その後6期連続でA級をキープ。現在はB1だが、スピード旋回だけでなく差し技を含めたレース力は確か。過去1年間(2023年4月1日~2024年3月31日)の2コース1着率36.3%や33.3%に及ぶ3コース1着率にテクニックが表れている。

この2コース差しや3コースからのまくり差しには思い切りが必要で、一瞬でも躊躇すれば内側艇に先んじられるだけに、迷いのないハンドルワークあってこその実績値である。

家族を大切にするママさんレーサーは、「オンオフの切り替えをしっかりしている」というが、それは即ち、「勝負は勝負の世界」と割り切り水上では厳しい姿勢を通しているということ。頼もしさのゆえんである。

2018年12月の平和島クイーンズクライマックスシリーズ戦を含め通算V3としている塩崎桐加がスピードとテクニックと思い切りを武器に、びわこを席巻する。
2011年11月に多摩川でデビューした後藤美翼は「後藤三兄弟」の末っ子。登録番号4460(101期)の後藤翔之は1986年生まれ。登録番号4676(109期)の後藤隼之は1988年生まれ。そして後藤美翼は1990年生まれで隼之と同じ109期生である。

初優勝はデビュー3年9カ月目の2015年7月平和島ヴィーナスシリーズと早かったが、その後、モーター出しで苦戦したことも…。ただ、腐ったり怠けることなく全力投球を通してきたプロセスは多くが知っている。

その成果は2023年6月の芦屋ヴィーナスシリーズで発揮された。3コースまくりで自身2回目の優勝を果たしたのだ。
その勢いもあり、2024年前期は勝率5.45でA2にランクイン。2024年後期適用勝率も4月17日時点で5.95とキャリアハイをマーク中。2期連続A級は確実視されている。

過去1年間(2023年4月1日~2024年3月31日)で22.0%の1着率を誇る3コース戦の3連対率は72.0%と極めて高く、ここで結果を出せば勢いがつくはず。平均スタートタイミングはコンマ21と平凡ながらレース展開力を駆使しファンの期待に応えてくれることだろう。注目したい。
今井裕梨はデビューから21期もの長きにわたりB級で過ごしたが、2022年後期にA2昇格。その後、以下のとおりA級を守っている。

2022年後期 A2(5.59)
2023年前期 A1(6.35)
2023年後期 A2(5.84)
2024年前期 A2(5.95)
2024年後期(4月17日時点) 5.98

初優勝は2022年6月の桐生ヴィーナスシリーズ。抜きでの勝利は優出20回目にしての栄冠。舞台が地元桐生だったこともあり、後輩らから手荒い祝福を受けていたことを記憶しているファンも多いことだろう。まさに愛される人である。

その後、2022年9月の鳴門ヴィーナスシリーズ(2コースまくり)で優勝すると、今年2024年は2月の多摩川W優勝戦を抜きで制し、現在V3としている今井裕梨。平均コンマ14のスタート力とコーナースピードを武器とするだけにセンター戦の実績は凄まじく、過去1年間(2023年4月1日~2024年3月31日)の3コース1着率が26.4%、4コース1着率は27.5%と極めて高い値をマークしている。
今回参戦するびわこでも気持ちのいいレースで他を圧倒するシーン多発とみていいだろう。初戦から注目したい。
ボートレーサーは幼い頃から憧れていた職業。カッコよさにひかれたのだ。

デビューは2014年5月1日の桐生。7走目でフライングを切る憂き目にあったが、丁寧なレースを心掛けてきた個人史がある。課題は「先輩レーサーとのスピードの違いの克服」だったという。

その成果が成績に表れるようになったのは2019年以降。2019年11月1日から2020年4月30日を対象とする2020年前期適用勝率を5.36とし初めてA2に昇格。2020年12月には、丸亀のW優勝戦で初優勝(2コース差し)を飾っている。
座右の銘である「努力は才能に勝つ」が証明された瞬間でもあった。

その成果が2024年前期適用勝率5.59に表れている。A2は8期ぶり2回目。2024年後期適用勝率も4月17日時点で5.36。A2ボーダーと目される5.43は目前。

とりわけ注目したいのは過去1年間(2023年4月1日~2024年3月31日)の1着率を22.8%としている4コース。展開を読み解く能力と行動力に注目したくなるのが蜂須瑞生だ。
原田佑実の魅力は華麗な自然体。普通、華麗と自然体は両立しないが、それを実現してしまうアスリートだ。

2024年後期適用勝率期間(2023年11月1日~2024年4月30日)は出走回数がA2規定の70走に満たないためB級落ちとなるが、2016年前期から2024年前期まで17期連続A級(内、A1級4回)を維持するなど実力は証明されている。

そのレースは、水のように流れの中で勝負するのがスタイル。平均コンマ17の安定スタートから次の展開を察知し接戦に持ち込むが、常に戦えるポジションをキープするため競り負けることが少ない。ゆえに、3着が多くなるのだ。以下はその証明である。
【過去1年間(2023年4月1日~2024年3月31日)データ】
1着率  15.7%
2連対率 32.1%
3連対率 57.8%(3着率25.7%はどの着順よりも高い)

舟券的に要注意なのは、センター戦の3着連入。3コースの3着率は44.4%、4コース3着率も30.4%と特徴的。2016年11月の桐生W優勝戦と2018年11月の桐生W優勝戦に次ぐ自身3回目の栄冠に臨むことになるびわこ・ヴィーナスシリーズに注目したい。
1998年11月にデビューして四半世紀を数えるベテランは、優出18回ながら優勝はゼロ(4月17日時点)。ボートレース界七不思議のひとつである。受け身にならず、鮮やかなスピードターンでファンを魅了するタイプは、2024年前期に勝率5.70で4期ぶりにA2にランクアップ。道中の粘りを持ち味としファンの期待に応えている。レースセンスを感じさせる「さばき」が武器なのだ。

すなわち、手堅いレースを旨とするのが茶谷桜。しかし、意外性もある。参考となるのが、過去1年間(2023年4月1日~2024年3月31日)のコース別成績だ。(以下のとおり)

1コース 1着率25.8% 3連対率70.9%
2コース 1着率14.2% 3連対率74.1%
3コース 1着率22.8% 3連対率59.9%
4コース 1着率7.4% 3連対率59.2%
5コース 1着率3.1% 3連対率24.9%
6コース 1着率0.0% 3連対率28.5%

注目は3コース1着率とインの3連対率。舟券の組み合わせ次第で高配当を提供するのが茶谷桜。
ましてや、初優勝を期待し大きな声援が寄せられる地元びわこが舞台なだけに、その動向から目が離せない。