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ボートレース宮島で5月24日から「SG第49回ボートレースオールスター」が行われる。ファン投票で選ばれた選手など52人が集結。オールスター初開催となる宮島でトップスターたちが激しく華やかに競演する。
V候補筆頭格に挙げるべきは毒島誠(群馬)だろう。自身初となるオールスターファン投票1位の座を獲得。2万6575票の大きな期待を背負って優勝を目指す。ファン投票1位での優勝は過去3人だけ。野中和夫、山崎智也、峰竜太に続く史上4人目の偉業なるか。
最も注目を集めるのは遠藤エミ(滋賀)だろう。3月の大村SGボートレースクラシックで優勝。女子史上初のSG制覇という歴史的快挙を成し遂げた。宮島オールスターはSG連覇がかかる一戦だ。
女子レーサーからは遠藤を含めて9人が参戦。昨年クイーンズクライマックス覇者の田口節子(岡山)、今年のレディースオールスターをファン投票1位で制した守屋美穂(岡山)、4月に3節連続Vを飾るなど絶好調の平高奈菜(香川)など好メンバーがそろっており、遠藤に続くSG制覇を狙ってくる。
地元の広島支部からは8人が登場。大黒柱の西島義則をはじめ、昨年SGタイトルを取った前本泰和と辻栄蔵、4月のマスターズチャンピオンでG1初Vを飾った上平真二、4月の宮島周年で優出2着の山口剛など充実のラインナップで遠征勢を迎え撃つ。
そのほかにも20年に宮島SGグランドチャンピオンで優勝している徳増秀樹(静岡)や、2年連続ファン投票2位の西山貴浩(福岡)、オールスター4年連続優出中の白井英治(山口)、昨年グランプリ覇者の瓜生正義(福岡)、今年G1・G2優勝3回と絶好調の馬場貴也(滋賀)など見逃せない選手ばかり。トップスターの競演を勝ち抜いて頂点に立つのは誰だ。
(データはすべて4月28日現在。カッコ内の表記は支部)
初日のメーンカードは12Rのドリーム戦。ファン投票上位6人が激突した。レースは1号艇の毒島誠(群馬)が快勝。インからコンマ12の好スタートで逃げ切り、ファン投票1位の期待に応えた。勝ちタイムの1分48秒5は初日最速ラップとなっている。なお2着には5号艇の白井英治(山口)、3着には2号艇の西山貴浩(福岡)が入り、3連単1-5-2で2110円の8番人気決着となった。
大会オープニングカードの1Rは守田俊介(滋賀)がイン逃げで快勝。コンマ07のスタートを決めて逃げ切った。守田が今節手にしたモーターは2連対率2位の54号機。好パワーでV争いを沸かせるのか注目の今節だ。
6Rでは菊地孝平(静岡)が1着。2マークで逆転の差しハンドルを決め、3連単1万1170円の高配当を提供した。菊地が今節手にしたモーター44号機は2連対率3位で、4月のG1宮島周年で馬場貴也が優勝戦1号艇に乗った注目機。菊地は初日1・2着と好スタートを切っており、V戦線をにぎわす存在になってきそうな気配だ。
8人が出場している地元の広島支部勢では大上卓人(広島)が魅せた。11Rに3号艇で登場し、3コースから鮮やかにまくり差し一閃。悲願のSG初優出に向けて最高のスタートを切った。その他の広島勢では前本泰和、辻栄蔵、上平真二、山口剛、村松修二がいずれも初日1回走りを2着としている。
9人が出場している女子レーサーでは高田ひかる(三重)が嬉しい1着を奪った。SG初出場の高田は3Rに1号艇で登場し、インからコンマ06のトップスタートを決めて逃げ切り快勝。SG初出走・初1着で水神祭を飾った。
3月のボートレースクラシックに続くSG連覇がかかる遠藤エミ(滋賀)は、7R6号艇の1回走りで6コースから3着。大外枠で連絡みする上々の滑り出しを見せた。2日目は5R4号艇と9R3号艇の中枠2走で登場する。
初日ドリーム戦を制した毒島誠(群馬)は、2日目前半の4Rこそ4コースから4着に終わったが、後半9Rで2コースから差しを決めて今節2勝目をマーク。1・4・1着で予選2位の好位置につけている。
予選首位に浮上したのは白井英治(山口)だ。初日ドリーム戦2着だった白井は、前半6Rで3コースから2着にまとめると、後半12Rでイン逃げを決めて今節初白星。2・2・1着のオール2連対でシリーズリーダーの座を奪った。オールスター4年連続優出中の白井が今年もまたV争いを沸かせる存在となりそうだ。
地元の広島支部勢の活躍も目立つ。山口剛(広島)は4Rでイン逃げを決めるなど2・1・2着のオール2連対で予選3位につける充実ぶり。大上卓人(広島)が1・3着で予選4位、上平真二(広島)が2・2着で予選5位、村松修二(広島)が2・2着で予選6位に続いている。さらに前本泰和(広島)が2・3着で予選11位、辻栄蔵(広島)が2・1・5着で予選13位。広島支部は8人が参戦しているが、そのうち6人が準優圏内につけている。
女子レーサーでは倉持莉々(東京)が魅せた。SG初出場の倉持は1Rに1号艇で登場すると、コンマ10の好スタートを決めてイン逃げ快勝。SG初1着の水神祭を飾った。その他の女子レーサーでは平高奈菜(香川)がオール女子戦となった5Rでイン逃げ、守屋美穂(岡山)が11Rでイン逃げを決めて今節初白星を手にしている。
SG連覇を狙う遠藤エミ(滋賀)は苦しい展開となった。前半5Rで4コースから5着に終わると、後半9Rも4コースから6着大敗。3・5・6着で予選42位まで大きく後退した。準優進出に向けて早くも崖っぷちの状況。3日目は4R1号艇の1回走りで必勝を期す。
予選首位に浮上したのは毒島誠(群馬)だ。3日目は5R6号艇の大外枠だったが、6コースから巧みに展開をついて2着連絡み。これで1・4・1・2着としてシリーズリーダーの座を奪い返した。4日目は7R4号艇と11R3号艇で登場。ファン投票1位での優勝という大目標に向け、まずは予選トップ通過なるか注目が集まる。
予選2位には地元の山口剛(広島)が上がってきた。3R2号艇の1回走りを2着でまとめ、2・1・2・2着とオール2連対をキープ。得点率は8.50で毒島と並んでいる状態だ。4日目は8R6号艇で登場。10年ボートレースクラシック以来となる2回目のSG制覇を狙うためにも、予選1位通過を目指したいところだ。
3日目は地元広島勢が計3勝をマークした。大上卓人(広島)は1Rで3コースまくりを決めて今節2勝目。1・3・1・4着で予選5位につけ、自身3回目のSG準優出がほぼ確実となった。村松修二(広島)は5Rで4コースまくり一撃。2・2・1・5着で予選7位につけている。4日目は9R1号艇の1回走りとなっており、きっちり勝ち切って予選上位を狙いたいところだ。前本泰和(広島)は9Rでイン逃げ快勝。2・3・4・1着で予選7位だ。4日目は1R6号艇の1回走り。勝負駆けの状況での大外枠となるだけに、どんな動きを見せてくるのか目が離せない。
SG連覇を狙う遠藤エミ(滋賀)は4R1号艇の1回走りで登場し、コンマ09の好スタートで逃げ切り成功。3・5・6・1着で予選31位まで巻き返し、準優進出へ望みをつないだ。4日目は4R2号艇と9R5号艇の2回走り。2走18点目安の厳しい勝負駆けに挑む。
女子レーサーでは平高奈菜(香川)が4・5・1・3・2着で予選14位、高田ひかる(三重)が1・5・2・3着で予選15位と準優圏内につけている。平高は自身2回目のSG準優出を目指して4日目は3R5号艇で勝負駆け。高田はSG初出場・初準優出をかけて4日目は1R2号艇と11R6号艇で登場する。
予選トップ通過を果たしたのは磯部誠(愛知)だ。3日目終了時点で予選7位だったが、4日目に2Rでイン逃げ、8Rで5コースまくり差しを決めて会心の2連勝をマーク。これで1・3・5・1・1・1着として大逆転でシリーズリーダーの座を奪った。今節手にしたモーター60号機は2連対率48位の低勝率機だったが、連日整備を繰り返して見事に立て直しに成功。準優12Rの1号艇でSG初優出を狙う。
3日目終了時点で予選首位だった毒島誠(群馬)は、4日目6・2着に終わって大きくポイントダウン。1・4・1・2・6・2着で予選10位まで後退した。ファン投票1位での優出を目指し、準優は10Rの4号艇で登場する。
地元の広島支部勢では村松修二(広島)が躍進。9Rでイン逃げを決めて今節2勝目を飾り、2・2・1・5・1着で予選3位まで浮上した。これで準優は10R1号艇の絶好枠に。SG初優出へ大チャンス到来だ。
地元勢では實森美祐(広島)も魅せた。6Rでイン逃げを決めて待望のSG初1着を飾ると、11Rでも4コースまくりを決めて圧巻の2連勝。これで4・3・3・4・1・1着として予選14位に入り、SG初出場・初準優出を成し遂げた。準優は11Rの5号艇で登場。6号艇には平高奈菜(香川)も入っており、女子史上4人目・5人目のSG優出を狙う。
その他の広島勢では前本泰和(広島)が2・3・4・1・1着で予選3位、大上卓人(広島)も1・3・1・4・2着で予選3位、山口剛(広島)も2・1・2・2・4着で予選3位、辻栄蔵(広島)は2・1・5・2・2着で予選8位に入って準優切符を獲得。広島支部は今節8人が出場しているが、そのうち6人が予選突破する大活躍となった。
なおSG連覇がかかっていた遠藤エミ(滋賀)は、4日目6・6着に終わって勝負駆け失敗。3・5・6・1・6・6着で予選38位に終わっている。
準優10Rは1号艇の村松修二(広島)が快勝。インからコンマ11の好スタートで逃げ切り、地元の期待に応えてSG初優出を果たした。2番手争いは2号艇の前本泰和(広島)が先行していたが、3号艇の石野貴之(大阪)が3周1マークで逆転。石野は昨年3月のボートレースクラシック以来、約1年2カ月ぶりのSG優出となった。なお4号艇の毒島誠(群馬)は4コースから攻め切れず6着大敗。ファン投票1位での優勝という道は潰えた。
準優11Rは4艇がゼロ台スタートを決める激しいスリット合戦となったが、1号艇の白井英治(山口)がインからコンマ11のスタートで逃げ切って快勝。ボートレースオールスターは5年連続優出となった。そして2着には6コースから最内を差した6号艇の平高奈菜(香川)が入線。悲願のSG初優出を果たし、寺田千恵、横西奏恵、遠藤エミに続く女子史上4人目のSGファイナリストとなった。なお地元勢の3人は、2号艇の大上卓人(広島)が3着、5号艇の實森美祐(広島)が5着、3号艇の辻栄蔵(広島)が6着でいずれも優出はならなかった。
準優12Rは波乱の決着に。4号艇の原田幸哉(長崎)が4カドからコンマ08のトップスタートを決めてまくり一撃。2着には5コースから追走した5号艇の篠崎元志(福岡)が入り、3連単4-5-3で4万0510円の高配当となった。予選トップ通過だった磯部誠(愛知)は無念のイン戦5着。SG初優出を逃す悔しい結果に終わった。
これにより優勝戦は内枠から順に白井英治、村松修二、原田幸哉、石野貴之、篠崎元志、平高奈菜という顔ぶれになった。予選2位通過だった白井がポールポジションを獲得。SG3回目の優勝を目指して1号艇で登場する。4号艇の石野は5年ぶり2回目のオールスター制覇を狙う戦いに。もし優勝となればSG10Vの大台に到達だ。3号艇の原田は5回目、5号艇の篠崎は3回目のSG制覇を目指して登場。2号艇の村松と6号艇の平高はSG初優出初Vを狙う。
激戦を勝ち抜いてきた6人による優勝戦。コンディションは向かい風3m、波高3cm、気温27℃で、夏の陽気のなか頂上決戦を迎えた。進入は動きなく枠なりの3対3。STは内からコンマ10、12、09/18、19、17。スロー3艇が先手を奪い、なかでも3コースの原田幸哉がただ一人ゼロ台スタートを決めた。
1マークはイン先マイの白井英治に対し、原田が3コースからまくり差しを狙う展開に。鋭く艇団を割った原田がバック直線で白井とラップ状態に持ち込む。そして2マークを内有利に先取りした原田が白井の差しを退けて単独先頭へ。その後は一気にリードを広げ、赤いカポックでVゴールを駆け抜けた。
今節の原田は1・6・2・2・2・1・1着。予選を12位で通過し、準優で4コースまくり、優勝戦で3コースまくり差しを決めて頂点へ。節間7走でゼロ台スタート6本と持ち味を存分に発揮しての勝利だった。04年と06年にG1宮島周年で優勝している原田が当地相性の良さを見せつけた印象だ。
原田はこれが5回目のSG制覇。02年平和島ダービー、04年浜名湖グラチャン、09年常滑チャレンジカップ、21年蒲郡メモリアルに続くビッグタイトルとなった。オールスターは22回目の出場で待望の初Vとなっている。
この優勝で賞金3900万円を手にした原田は、今年の獲得賞金を約5898万円まで伸ばして賞金ランキング首位に浮上。2年連続7回目のグランプリ出場がほぼ確実となった。
白井は無念のイン戦2着に終わって3回目のSG制覇はならず。それでも賞金1650万円を加算して賞金ランキング4位まで上昇し、7年連続10回目のグランプリ出場へ前進した。
平高奈菜は6コースから攻め切れず6着。女子史上2人目のSG優勝はならなかった。それでも賞金650万円を獲得して女子賞金ランキング2位に浮上し、クイーンズクライマックス出場はほぼ当確となっている。
SGボートレースオールスター攻略ポイント
宮島の昨年1年間のイン1着率は59.0%。これは全国平均(55.8%)より3%ほど高い。ただファーストバトル戦など1号艇A級の企画レースを組んでいる影響もあるだろう。宮島のインは強すぎず弱すぎずか。今年4月に行われたG1宮島周年では全72レースでインが42勝(イン1着率58.3%)だった。SGボートレースオールスターでもこの程度の数字が予想される。
イン以外で目立つのは「2コース」だ。1着率が11.1%しかなく、これは全国24場のなかでも最も低い。4月のG1宮島周年でも2コースが差し切れないレースが目立ち、2コースの2着が実に24回も出現していた。
宮島の決まり手傾向で注目すべきは「差し」。出現率が10.3%で、これは全国平均(13.3%)より3%も低い数字だ。特に顕著なのは2コース差しの難しさ。出現率が6.9%しかなく、全国平均(9.1%)を大幅に下回っている。
20年の宮島SGグランドチャンピオンでは、1節間で2コース差しがわずか6本。1日1本ペースでしか出現しなかった。ちなみに2コース差しを決めたのは松井繁、瓜生正義、新田雄史、前本泰和、湯川浩司、峰竜太という顔ぶれだ。
宮島の競走水面は、夏場は向かい風、冬場は追い風が吹きやすい傾向にある。SGボートレースオールスターが開催される時期は向かい風が多くなりそう。昨年5~6月のデータを見てみると、宮島では432レースが行われ、向かい風276レース、追い風76レース、横風40レース、無風40レースという内訳だった。
宮島の向かい風時と追い風時のレースを比較すると、向かい風では「3コース」が苦戦、「5コース」が活躍という特徴が見られる。これは向かい風だと4コースが攻めやすいからだろう。3コースは4コースにたたかれるため行き場を失って苦戦し、5コースは4コースが攻めて展開をつくってくれるため活躍できるというわけだ。ちなみに4月のG1宮島周年では5コースが6勝しているが、そのうち5勝は向かい風の時に生まれている。
宮島水面の大きな特徴に「潮位」がある。全国24場のなかでも最も干満差が大きいレース場のひとつだ。一般的に干潮時は水面が安定しているためスピードに乗ったまくりが決まりやすく、満潮時は水面が不安定で握って回りづらくなるためイン逃げや差しが決まりやすくなると言われている。
SGボートレースオールスター開催時の潮汐表を見てみると、潮位が高い状態になるのはシリーズ前半の終盤カードや、シリーズ後半の序盤カード。逆に潮位が低い状態になるのはシリーズ後半の昼過ぎあたりだ。干満を利用した舟券作戦を一考したい。