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ピックアップレーサー記者コラム

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4320 峰竜太

競技観戦の醍醐味(だいごみ)は「共感」にある。観ている者がハラハラドキドキすればするほど、歓喜や落胆は大きくなる。
そういう意味で、ファンも勝負するボートレースの感激性が高い。中には、選手を自分自身と重ね合わせ、一緒に走っている気持ちのファンもいることだろう。

そうした存在の象徴が峰竜太だ。

いつものポーズ「ALOHA」には、思いやりや調和、心地よさ、謙虚さ、忍耐強さといったメッセージが込められており、「みんなが幸せになってほしい」と願っている。
また、日ごろから「目標をもってがんばること」「必ずたどり着くんだという意志」の大切さを説き続け結果を出している。それも朗らかに…。

通算優勝回数96回の内、SGはV5、GⅠV16だが、何より勝率がすさまじい。来期(7月~)を含め17期連続8点台(来期は8.54)をマークしているのである。(8点台は合計19期)
過去1年間(2022年7月1日~2023年6月27日)の1着率は50.0%ちょうど、3連対率は全コースで88.4%に上るのだ。信頼を寄せる裏付けがここにある。

今年は津の周年(4月)を含めV5、賞金ランキングも10位につけ活躍ぶりは不変。V24としているものの、記念優勝がまだない地元唐津で「共感」の輪をさらに大きく広げるに違いない。


3897 白井英治

今年、ボートレース界を牽引している一人が昨年のSGグランプリ覇者・白井英治である。
SGとGⅠの出場がない中、6月末までで優勝8回(1月徳山&下関&徳山・3月丸亀・4月若松・5月徳山・6月若松&丸亀)。勝率は8点半ばを超えるなど圧倒的な成績をマークしているのだ。ちなみに、賞金ランキングは6月25日時点で33位である。

唐津は記念競走ばかり年1回程度のあっ旋だが、成績は上々。2018年以降参戦したほとんどで予選をクリアしている。

レジェンド今村豊さんが「若い頃、勘違いしていたこともあったが、話をしっかり受け止めてくれました。本当に誇らしいです。選手として必要な素質も持ってますね…」と話したことがある。
その素質とは素直さと度胸。具体的には、ボートに乗ること、モーターなど道具を大切にすること、キレイなレースをすること、怖がらないこと、思い切っていくこと、感謝の気持ちを持つことなどがそれにあたる。

そうした経緯が、昨年の大村グランプリでの優勝セレモニーに反映したのだ。価値は「プロセスが決める」とさえ言えそうだ。

唐津は2016年のモーターボート大賞を含めV6としている得意水面。
ホワイトシャークがヤング世代を真正面から受け止め、威風堂々のレースを見せることだろう。


4116 吉田拡郎

今年6月、蒲郡の68周年記念で4つ目のGⅠタイトルを手にした吉田拡郎は、若いファン「カクロー!」コールを受けていた。「蒲郡…、熱いですね。サイコーです!」が声援への返答だった。
そして、表彰式ステージを去る際ガッツポーズを決めている。常に冷静で感情を直接的に表すことが少ないだけに喜びのほどが感じられたシーンであった。

1982年4月18日生まれの41歳はプロ生活21年のベテラン。通算優勝回数53の内、SGはV1(2014年7月の丸亀オーシャンカップ、イン逃げ)、GⅠV4の実績を誇っている。
さらに、7月からの2023年後期を含め、勝率7点超えは23期の実力派である。

自在でどこからでも勝利し連に絡むことができるのが特徴だが、それを過去1年間(2022年7月1日~2023年6月27日)のデータが物語っている。
1コース 1着率82.2%(3連対率93.4%)
2コース 1着率19.1%(3連対率72.2%)
3コース 1着率36.8%(3連対率68.3%)
4コース 1着率23.8%(3連対率85.6%)
5コース 1着率12.7%(3連対率67.9%)
6コース 1着率11.7%(3連対率52.8%)
完全無欠のオールラウンダーが若手の挑戦を受けて立つシリーズに注目したい。


4932 新開航

「上の舞台で活躍される先輩方のようになりたい」。
新開航は今年2月2日の優秀選手表彰式典でこのように語った。
白星は2022年年間最多の125。1着率は3割9分9厘。野球でいえば夢の4割打者に匹敵する数字である。ちなみにイン1着率は93.5%と驚異的であった。

さらに、この年はV10だったがこれも最多だった。内訳は一般戦V6、ルーキーシリーズV3回、そしてGⅡモーターボート大賞(7月芦屋)である。実力は言うまでもないが、今年5月のオールスターに37位で選出されるなど人気もうなぎのぼりだ。

同期の118期には、養成所チャンプでGⅠウイナーの板橋侑我や2019年の最優秀新人宮之原輝紀、GⅠタイトルホルダーの栗城匠、そして本大会に出場する小芦るり華など逸材がそろっており、常に意識してきた経緯がある。
それがデビュー当時の「同期優出一番乗り!」宣言だったが、2017年8月の浜名湖で実現。さらに、2018年1月には芦屋で「同期優勝一番乗り」も果たしている。

小学校の時に野球で全国制覇し世界大会に出場。「あの緊張感が財産…」と話す27歳が、過去V2、昨年1月からの勝率を9.00とする大得意な唐津でクリーンヒットを連発してくれるはずだ。


4938 小芦るり華

佐賀支部を代表する女子レーサー小芦るり華は2つのチャレンジカードを手に参戦することになる。「記念常連組」と「男子」への挑戦だ。

もともとはバレーボールをしていたが、高校時代フェンシングに打ち込んだ佐賀の女子は全国3位のキャリアを有する。持ち味である鋭発スタートは、相手の一瞬の動きを見逃さないフェンシングによって鍛えられたといっても過言ではないだろう。

同期128期には、2019年の最優秀新人選手に輝いた宮之原輝紀をはじめ、2022年の最多勝利選手となった新開航、GⅠウイナーの栗城匠や板橋侑我などポテンシャルの高いライバルが多い。まさに強くなるための刺激がそろっているのだ。

2021年後期から4期連続A2としてきたが、この7月からは勝率6.52で初のA1。さらに、今年1月の徳山オールレディースで自身初優勝(イン逃げ)を飾るなど勢いがある。
そして、舞台は地元唐津。練習を積み重ねてきた水面ゆえ、どこを走りどう操縦すればいいか熟知している。スタートも自身の平均値よりもはるかにいいコンマ12(2022年1月~)をマーク。強敵に対し臆せず攻めていくことだろう。大いに注目し期待を寄せたいものだ。


5121 定松勇樹

プロ野球界でいえば「ドラフト1位」が定松勇樹である。それも複数指名に相当する。
養成所125期生として最初から頭角を現し、リーグ戦勝率は7.81でトップ。全7戦中、6優出5優勝と他を圧倒したばかりか、修了記念競走も制覇し強烈な印象を残している。

水泳、野球、バドミントンで心身を鍛えてきたが、一番の原動力はボートレーサーへの「憧れ」だろう。中学の時に父に連れられ見たボートレースが少年の心を動かし、人生を変えたのだ。「憧れのレーサー」は峰竜太。スピード光る自在な旋回が目指す戦法だが、その峰竜太をして「モノが違う…」と言わしめている22歳である。

2019年11月のデビュー以来3年半余りが経過しているが、この間、下関ルーキーシリーズ(2022年9月、4コースまくり)と若松ルーキーシリーズ(2023年3月、イン逃げ)で優勝。来期(7月~)も勝率6.94で2期連続A1を決めている。

その威力はセンター戦に発揮されており、過去1年間(2022年7月1日~2023年6月27日)の1着率は3コースが26.9%、4コースは20.4%と極めて高い。
実績豊かな強豪レーサーがそろい踏みするこの地元シリーズで活躍し、スターダムを駆けあがっていく姿をイメージするファンは限りない。