ピックアップレーサー

ピックアップレーサー

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ピックアップ選手1

 

2017年と2018年のトップルーキー上條暢嵩はボートレーサーファミリーの一員である。

父は元選手の上條信一さん、兄は上條嘉嗣。家族はボートレースを絆として結ばれている。

 

「どこへ行ったん?」

 

元々、選手になるつもりはなかったが、急に家からいなくなった兄の進路を聞き興味をもったという。

デビューは2012年の5月住之江。20代ながらキャリアは中堅に差しかかっていると言っていい。

 

2019年4月には、下関のG1ダイヤモンドカップでSGウイナーの井口佳典(1コース)と原田幸哉(2コース)を3カドからまくって優勝したが、2人を完全に沈めたにも関わらず3連単は4,000円と高配当にならなかった。ファンは上條暢嵩の攻めを信頼していたのだ。

 

G1優勝経験者ゆえ「若手の中に入れば勝って当然」と思われがちだが、そんなプレッシャーに圧し潰されることはない。

座右は「気持ちで負けない」。負けるかもしれないとか、負けたらどうしようという気持ちと闘っている競技者である。

 

最近は、苦手な差しも克服しつつある。どの分野にも秀でているだけに穴がないのが上條暢嵩。安定感はファンの信頼につながっている。

ピックアップ選手2

 

「天は二物を与えることもある」

 

永井彪也がその証明だ。

イケメンであることは言うに及ばず、ファンや報道陣への真摯な姿勢やレースぶりも光っている。

そして、何でもやすやすとこなしてしまうスマートさがある。

しかし、それは外形である。薄っぺらな男ではない。

そして、「天は三物も四物も与える」のだ。

そのひとつが勝負師に欠かせない「強固な意志」である。

ボートレースに魅せられた15歳の若者は、5回も受験しプロになっている。結果が約束されていない高い壁を越えようとしたのだ。多感な青春時代を夢にかけたことを想うと胸が熱くなる。

また、養成時代はすべて6コースで通した。わざわざ勝ちにくいコースを自らに課し、地力をつけようと、「泥で珠を磨く行動」に出たのである。

 

そんな永井彪也は、2019年の三国ヤングダービーを取っている。丸野一樹選手や大上卓人選手らの同期、師匠・中野次郎をはじめとした支部の先輩、最愛の家族を想い「感情的にたかぶりそうになってしまった…」と後に回顧した。

「かっこいい外見」

「スマートさ」

「真摯な姿勢」

「強固な意志」

「泥臭さ」

「厚い情」

永井彪也の人間的魅力ははかりしれない。

ピックアップ選手3

 

畑田汰一の地元は戸田である。水面は日本一狭い。1マーク前の幅は37m。最も広い芦屋の53mと比べるとその違いが判然とする。

淡水で狭く乗りこなすのが難しい環境を味方につけ腕を磨いていたのだ。

 

2020年5月の江戸川でデビュー初優勝を飾っているが、これが2コース同体まくり。

同年11月には戸田で5コースから展開を鋭く突いて差し抜けている。

圧巻だったのは今年1月の戸田優勝戦。3コース外マイでバック4番手につけるとスピード感あふれる旋回で先行艇を抜き去ったのだ。初動で一気に舟を向けるハンドルワークはすごみがある。

「道中でさばくのが自分のレース。3周2マークまでファンを魅了したい」と語るのもうなずける。

 

高校時代サッカーに打ち込んだ畑田は、ボートレースについて「単純な競技ですが、それだけに奥が深い」と語る。これはレースに限った話ではない。プロペラやモーターの調整を含んでいる。

 

そして、勝つためには舟先を一気に内へ向けることが必要と感じ研鑽を積んできた。その点で戸田は格好の練習舞台といえる。

さらに素晴らしい先輩にも恵まれた。

「目標は桐生順平さん」と語る埼玉の新星がブレークしかけている。