レース展望

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 東のヤング王者を決める戦いだ。ボートレース戸田では6月12日から「G3第8回イースタンヤング」が開催される。東日本(群馬~大阪支部)に所属する20代のヤングレーサーが集結。優勝者には9月に徳山で行われる「PG1第8回ヤングダービー」の優先出場権が与えられる。過去イースタンヤングの覇者には桐生順平、西村拓也、平田健之佑、片橋幸貴、秋元哲、木下翔太(2連覇)が名を連ねてきた。果たして戸田初開催のイースタンヤングを制して8代目覇者となるは誰だ

 V争いをリードするのは強力メンバーの大阪支部勢か。選考勝率1位が上條暢嵩、2位が上田龍星、3位が小池修平で、ドリーム戦1~3号艇を占めることになった。

 上條暢嵩は選考勝率7.02で今節ただ一人の7点台をマーク。すでにG1タイトル(19年下関ダイヤモンドカップ)も取っている選手だけに今大会では格上の存在といっていいだろう。戸田では通算5優出1Vの実績があって水面相性にも不安なし。V候補の筆頭格になってくるはずだ。イースタンヤングは16年に優出2着、18年に優出6着と2回優出しているがまだ優勝はないだけに、今回は勝ち切れるか注目したい。

 上田龍星は昨年のヤングダービーでG1初優出を果たして優勝戦1号艇(3着)に乗ったのが記憶に新しいところ。今年2月の近畿地区選でも優出するなど記念戦線で存在感を増している近況だ。戸田は過去1節しか出場歴がないが、その当地初参戦だった昨年1月の戸田ルーキーシリーズでいきなりV奪取。優勝戦で4コースまくりを決めてインの上條を破っている。イースタンヤングで戸田連続Vを飾るのか。

 小池修平は3期前に突如覚醒し、勝率6.31をマークしてB1級からA1級へ飛び級昇格。その活躍が偶然ではなかったことを示すように、前々期は勝率6.51、前期は勝率6.86と成績を上げて3期連続A1級キープを果たしている。大阪期待の急成長株がイースタンヤングでも大暴れするのか。

 大阪支部では井上一輝も楽しみだ。19年のイースタンヤングで優出4着、昨年のヤングダービーで優出5着に入った実績。前期勝率6.63で3期ぶりのA1級復帰も決めており近況リズムを上げている。

 東京支部も魅力的なメンバーがそろったなかでも注目を集めるのは栗城匠だろう。5月の平和島周年で優勝。G1出場わずか4節目でG1初優出初Vを飾る大金星を手にした。一躍全国区に名をとどろかせた栗城がヤング戦線でどんな走りを見せるのか楽しみだ。

 永井彪也は雪辱戦になる。昨年のイースタンヤングで痛恨の優勝戦フライング。19年ヤング王者が大会2連覇を目指すはずだったヤングダービーの出場権を棒に振ってしまった。今年は冷静と情熱を併せ持ちながら頂点を目指したい。

 東京支部はその他にも19年ヤングダービー優出5着の宮之原輝紀や、若手トップクラスのスタート力を誇る馬場剛など逸材がそろっている。東京勢のイースタンヤング初制覇が生まれるのか。

 顔ぶれの多彩さでは愛知支部だ。20年最優秀新人賞の前田篤哉、前期勝率6.97の自己ベストをマークした野中一平、前期勝率6.38でA1級復帰を決めた中村泰平のほか、吉田凌太朗吉田裕平の兄弟、前田篤哉前田滉前田翔の3兄弟らが登場する。特にイースタンヤング2年連続優出中の吉田裕平や、3月の戸田ルーキーシリーズで優出3着に入った前田滉らは見逃せない。

 その他の支部にも18年ヤングダービー覇者の関浩哉(群馬)をはじめ、選考勝率4位の豊田健士郎(三重)、2月の戸田一般戦でデビュー初Vを飾った中山将太(福井)、昨年の戸田ルーキーシリーズで優出3着の板橋侑我(静岡)、5月の宮島レディースVSルーキーズバトルで優勝した吉川貴仁(三重)など逸材がそろっている。

 そして迎え撃つ地元の埼玉支部からは大豆生田蒼中田夕貴栗原直也畑田汰一松本純平砂長知輝が参戦する。

 地元のエース格を担うのは畑田汰一だ。昨年5月の江戸川戦でデビュー初Vを飾ると、11月の戸田戦で2勝目、1月の戸田戦で3勝目、2月の常滑レディースVSルーキーズバトルで4勝目と破竹の勢いで優勝を量産。前期勝率6.39でA1級初昇格も決めるなど近況成長著しい。戸田は5優出2Vと相性抜群の水面だけに、遠征勢に付け入る隙を与えない走りを見せたいところだ。

(データはすべて5月24日現在。カッコ内の表記は支部)