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強くてカッコいい峰竜太が戻ってきた。
10月の蒲郡ボートレースダービー制覇によって賞金ランキング1位に踊り出たが、さらに24場制覇のおまけが付き、ボートレース界を牽引する存在であることを証明した。そのダービーの表彰セレモニーで「引退を考えたこともあった…」と語ったが、それを押し留めたのは紛れもなくファンである。いつでも、いかなる時でも、待っているのだ。
ダービー以降、馬場貴也との賞金1位争いは熾烈(しれつ)を極めたが、チャレンジカップ終了をもって1億4817万7200円でトップ確定。王道の戦いを演じる立場となった。グランプリ3度目の栄冠への挑戦である。
2023年を振り返れば、津周年記念(4月)・浜名湖MB大賞(7月)・住之江高松宮記念(9月)・蒲郡ボートレースダービー(10月)を含めV9。1月1日から11月26日までの勝率8.64は、2位の白井英治(8.40)を大きく引き離している。全方位で結果を残しており死角がない。
その象徴が3コース1着率(2022年12月~2023年11月末)45.2%。驚異的な値は、まさにレース展開力の証明書である。芦屋周年記念は、2023年ラストスパートへのはじまりにほかならない。
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「東都のエース」も11月8日で50歳になった。十分過ぎるほどのベテランである。
しかし、そのレースは果敢。20代と変わらぬスピードとキレをあわせ持つからこそ迫力に満ちている。1992年5月に平和島でデビューすると、3期目にはA級昇格。途中アップダウンしたものの、2024年前期を含め60期最高位をキープしているのだ。そして、通算優勝回数は100回の内、SGはV5、G1はV24を数える。
2023年は平和島タイトル戦(1月)・多摩川一般戦(2月)・平和島タイトル戦(8月)・常滑周年記念(9月)・唐津周年記念(9月)で優勝。5月の芦屋オールスターは優勝戦2着に入り、芦屋との相性の良さをアピールしていた。
芦屋は1999年の47周年・2000年の48周年・2006年の54周年・2021年のオーシャンカップを制しているドル箱なのだ。圧巻だったのは2021年7月のオーシャンカップ。シリーズの随所で内側艇を叩きにいく全速ターンを繰り出し、「まだまだ若い者には負けられないです!」と笑顔を弾かせていたのは多くのファンの脳裏に刻まれている。
常に自己変革を試みるのが濱野谷憲吾。その姿は若いファンを惹きつけてやまない。
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選手1600名の代表・瓜生正義は視野の広い人物である。
選手だけでなく、ファンや関係者にも心を配り適切なアドバイスするが、それがレースにも表れている。流れの中で勝負の機微を見極められるのだ。戦いの舞台地元芦屋はこれまで16V。この中に、2013年の61周年記念と2014年の九州地区選手権が含まれている。調整のポイントやレースのつくり方などは誰よりも知っていると言っていいだろう。
あとは「結果」である。
2021年12月の住之江グランプリ優勝以来V歴がないのは意外。2023年は4月の津周年記念と若松のマスターズチャンピオンで優勝戦5着。5月の芦屋ボートレースオールスターは優勝戦4着としておりあと一歩のところまできている。そのレースは、安定した1艇身のスタートからの自在戦が持ち味。ムリのない競走で混戦を抜け出してくるタイプだ。ちなみに、過去1年間(2022年12月~2023年11月末)のコース別1着率は以下のとおりである。
1コース 64.7%
2コース 23.0%
3コース 21.0%
4コース 6.3%
5コース 8.3%
6コース 0.0%自在戦とはいかなるものか、それを教えてくれるのが瓜生正義である。
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「今の自分は過去よりも確実に強くなっています!」。
菊地孝平は年末を控え、こう公言してはばからなかった。チャレンジカップ中のことである。2023年は夏まで一般戦V3どまりと苦戦。SGレースの優出もなく賞金ランキングを上げられずにいた。
それを変えたのが9月の住之江高松宮記念。優勝戦2着で流れをつかむと、10月のびわこ周年記念は優出6着。そして、11月の徳山周年記念の優勝によって19位と、グランプリ出場まであと一歩のところまでこぎつけたのだった。「可能性がある限りあきらめない」精神は三国チャレンジカップでも発揮され、準優5着と敗れた後の最終日特別選抜B戦で1着ゴールを果たし、726,000円差で18番目のイスをゲット。まさに滑り込みセーフを成し遂げたのである。
「今の自分は過去よりも強い」発言は、数々の困難を乗り越えてきたからこそ。なかなか答えがでない調整をはじめ、一瞬のスキも許されない記念レースでの敗戦から会得したものがあるのだ。スタートだけが武器ではない。
勝負は勝ったり負けたり…。だからこそ思うようにいかない時の考え方や態度がその後を左右する。そういう意味で一回りも二回りも大きくなった菊地孝平が、芦屋で何かを起こす予感がする。
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山口剛にとって12月は特別な時節だ。
昨年2022年の大村グランプリ初戦でスリットオーバーしたのだ。
平和島ボートレースクラシックでSG初優勝を飾った2010年に初めてグランプリに出場したが、以来2回目の大舞台に賭けた気持ちは想像に余りある。普通はそこで折れてしまうものだが、山口剛は違った。
2023年序盤はやや静かにスタートしたが、7月以降加速に成功する。
7月の唐津MB大賞を皮切りに、桐生周年記念(9月)・多摩川周年記念(10月)を制し賞金ランキング上位に躍り出てきたのだ。困難にあっても「全能力を傾ける」と宣言しているアスリートの戦いぶりに、精神力とは何かを教えられたファンも多いことだろう。
そして、三国のSGチャレンジカップは高い調整能力を駆使しモーターを快速に仕上げ優勝戦に進出。結果は4着敗退だったが、ランキング11位で2年連続グランプリ出場を決めたのだった。きっと、リベンジの思いでいることだろう。
そして、その前に「芦屋の決戦」が待っている。有数の静水面は淡水だが、三国で「慣れない淡水の調整について学ぶところがあった」と言っている。単に鋼のハートをもつだけでなく、柔軟性を併せもつからこそ強いのだ。
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記念ウイナーぞろいの芦屋周年にG1初Vを狙う32歳がいる。地元福岡支部の111期生・高倉和士だ。デビューは2012年11月7日。12年目に入っている。
これまでの優勝回数は8回。2023年は大村正月レース(1月)と福岡一般戦(6月)を制しているが、ファンの期待はこれを超えるものがある。記念初Vである。
過去G1レースは優出4回だが、直近が今年11月の常滑ダイヤモンドカップ。モーターを快速に仕上げスピードターンで主導権を握る走りが印象的だった。
1年間(2022年12月~2023年11月末)の平均スタートタイミングはコンマ13。豪快にまくるというよりも、柔軟に立ち回る高速旋回が持ち味で1着データに顕著である。(データは2022年12月~2023年11月末)
1コース 1着率77.3%
2コース 1着率22.4%
3コース 1着率10.2%
4コース 1着率24.3%
5コース 1着率 9.7%
6コース 1着率 5.8%地元芦屋はまだ優勝歴がないだけに、ファンの期待も大きい。その応援を力に変え臨むのが今シリーズ。今年2月におこなわれた前回大会は転覆2回の憂き目にあっている。雪辱に燃えているはずだ。注目したい。