開設70周年記念GⅠ北陸艇王決戦

開設70周年記念GⅠ北陸艇王決戦

ピックアップレーサー記者コラムカニ

ピックアップレーサー記者コラムカニ

GI北陸艇王決戦に臨む注目選手の素顔を垣間見る

弓道と歴史から学ぶ福井の女流一番星 西橋 奈未

 
2016年11月17日に三国でデビューし7年目に入っている西橋奈未。1.75からはじまった勝率が2023年後期(2022年11月1日から2023年4月30日)7.19まで上がっている。A1は今期で3期目だ。

初優勝は2020年11月の芦屋。男女混合戦で優勝戦1号艇をゲットしインから逃げての栄冠だったが、「男女混合戦で優勝するのが目標でした。優勝できてほんとうにうれしいです」と顔をほころばせていたのを覚えているファンは多いことだろう。

弓道に打ち込んだ高校時代にボートレースに遭遇し、自身の行く道を決めた西橋奈未は歴女でもある。
「歴史が好きで、本を読んだり、博物館に行ったり歴史上の地に赴いたりしています。また、過去の人物から学ぶことも多いです。動乱の幕末、最後まで悔いなく戦おうとした新選組の沖田総司さんとか土方歳三さんに憧れます…」と話す言葉に力が入る。

一時期、度重なるスタート事故が響き調子を落としていたが、2022年11月には戸田のヴィーナスシリーズで優勝。今年は2月の唐津ヴィーナスシリーズと4月の福岡ヴィーナスシリーズで優勝。完全に復調している。

地元三国の記念参戦は今年3月の69周年以来2回目。前回は予選をクリアしたもののあと一歩及ばずの準優3着だった。
今後は「優出の的」をしっかり射止めたい70周年だ。

全国

全国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
6.80 51.09 69.34
優出 優勝 平均ST 出走回数
11 3 0.15 274
三国

三国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
6.42 42.11 61.40
優出 優勝 平均ST 出走回数
2 0 0.16 57
支部長も務める器の大きな人物 馬場 貴也

 
「年間を通し悔しい経験もしましたが、結果を出すことができてうれしい一年でもありました。まだまだ自分のターンは完成していません。もっと精度を上げられると思っています。2023年もファンの方々に楽しんでいただけるレースをしていきます」。
馬場貴也は、令和4年優秀選手表彰式典でこう話した。賞金ランキングは2位ながら、常滑ダービーや下関&戸田の周年記念Vが高く評価され、MVP最優秀選手に選ばれている。

そして、今年は住之江の近畿地区選手権を皮切りにここまでV6。 特に、先の福岡ボートレースメモリアル優勝(イン逃げ)によって賞金ランキングを1位に跳ね上げ、3年連続5回目のSGグランプリ出場を確定づけている。(8月27日時点)

そんな超一流でありながら、自身を含め45名をまとめる滋賀支部長も務めているのが馬場貴也。あっ旋レースも多く忙しいはずなのに「そのことがあって強くなれました」とさえ言える器の持ち主である。

「果てなき向上心」「途切れない集中力」「あきらめない粘り」、そして「分かりやすいレーススタイル」と「人を大切にする姿勢」がこの人物を分厚くさせている。それでいて爽やかだ。人生経験を重ねてきた年配のファンが「ほんとうにすばらしい人物」と言わしめるボートレース界の宝が2021年の近畿地区選手権を制した三国を滑走する。

全国

全国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
7.89 55.63 72.18
優出 優勝 平均ST 出走回数
14 4 0.12 284
三国

三国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
 2022年8月1日~2023年7月31日で出走なし    
優出 優勝 平均ST 出走回数
 2022年8月1日~2023年7月31日で出走なし      
「ガマン」のエネルギーが発光している! 白井 英治

 
2022年のグランプリ覇者であり賞金王の白井英治は、昨年8月の浜名湖メモリアル優勝戦でフライングを切ったため、記念戦線から遠ざかっている。今はいわば「ガマン」の時である。

しかし、「ガマン」のエネルギーはすさまじい。
今年8月23日までの優勝歴は以下のとおりだ。
1月1日 徳山一般戦
1月9日 下関一般戦
1月28日 徳山一般戦
3月5日 丸亀タイトル戦
4月11日 若松一般戦
5月3日 徳山タイトル戦
6月4日 若松一般戦
6月21日 丸亀一般戦
8月9日 下関タイトル戦

通算V9で賞金ランキングは31位と高くないが、1月からの勝率は8.51。8.59の峰竜太と競り合っている。8点台は2着でも数字が下がる。(8月24日時点)
負けない勝負師の戦闘能力はすさまじく、2023年後期対象期間(2022年11月1日~2023年4月30日)の1コース1着率は89.3%と驚異的な値を示している。

レジェンド・今村豊さんをして、「若い頃から挑戦する気持ちがすごかった」と言わしめるボートレース界の宝は、これまで数々の辛酸をなめてきたが、その度立ち上がり盛り返してきた歴史を刻んでいる。それも清々しく朗らかに…。

この6月のびわこ以降G2レースに復帰、8月末には常滑でG1に戻ってくるホワイトシャーク。続くG1レース三国での活躍が期待される。

全国

全国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
8.28 71.32 82.35
優出 優勝 平均ST 出走回数
20 11 0.14 272
三国

三国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
 2022年8月1日~2023年7月31日で出走なし    
優出 優勝 平均ST 出走回数
 2022年8月1日~2023年7月31日で出走なし      
派手なようで堅実な勇者に大言壮語なし 磯部 誠

 
6月に徳山で開催されたSGグランドチャンピオンは、愛知の若手・磯部誠の優勝で幕を降ろした。初めてのSGVだった。

その直後、ボートレース常滑をはじめボートレース蒲郡やボートレースチケットショップ高浜で優勝報告会が相次いだが、誰もが楽しめる雰囲気を醸し出しながら、プロレーサーとしての矜持(きょうじ)を随所に挟み込む内容に多くのファンが耳を傾けていた。

「同じ失敗をしない方なので、一度失敗したことへの不安はない」
「先々のことは考えないし、大会のグレードも関係ない」
「とにかく地道に一戦一戦。地道に進むことしか考えていない」
「リスクを考えるとバランスの取れた舟足が基本」
「同期に菅章哉がいるが、自分はチルトを跳ねたことはない」
「レースは最後まで絶対にあきらめない」

など、外見とレースぶりの違いを「意外」と感じたファンが多かったようだ。
そのひとつが「一戦一戦」発言。見た目は派手なのに考え方は堅実だ。
賞金ランキングは8月20日現在石野貴之に続く2位で、年末のグランプリ出場をほぼ当確としているが、これについても「まだまだ全然、まったく考えていません」という磯部誠。その一戦必勝の戦いに注目したい。

全国

全国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
7.41 50.00 65.58
優出 優勝 平均ST 出走回数
13 4 0.13 276
三国

三国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
7.82 64.71 70.59
優出 優勝 平均ST 出走回数
2 1 0.12 17
ボートレース界の正統派にブレはなし 中島 孝平

 
通算61回もの優勝を飾っている中島孝平の栄冠の中に、2010年の第25回グランプリ(住之江)がある。決着は2コースまくりだった。
レース後、祝福の輪ができたが、その中から「彼ならしょうがない」「ほんとうに努力していたから…」というライバルたちの声が聞こえてきた。休むことなく調整や試運転を繰り返す姿を知っているのは常に切磋琢磨している記念レーサーである。

そのレースぶりは美しく、接戦でボートをぶつけることも、また意外な作戦で意表を突くような奇策を講じることもない。まさに自在で流れ重視の正統派なのだ。
モーターの仕上がりについて、あまり多くを語らないのも実直な性格がもたらすもの。いいときもそうでないときも表現は端的。分からなければ分からないと言う。派手なパフォーマンスやスタンドプレーをしないのがスタイルである。

地元三国ではこれまで23回優勝しているものの、2022年まで周年記念優勝がなく不思議がられてきたが、今年3月末の69周年記念をインから制しファンを喜ばせた。本人もホッとしたことだろう。

地道に一歩一歩進むあり方は不動。どんな状況になろうともブレない中島孝平がひたむきに淡々と前進する三国70周年記念競走だ。

全国

全国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
7.26 50.49 66.67
優出 優勝 平均ST 出走回数
11 3 0.13 309
三国

三国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
9.17 80.00 100.00
優出 優勝 平均ST 出走回数
3 2 0.12 30
時代を超えた”三国V41”の「大看板」見参! 今垣 光太郎

 
「選手から嫌われてもいい、ファンのために走りたい」。
15年ほど前、今垣光太郎はこう言い切っていた。
進入をはじめとしたレース運びに型がなく、意表を突く作戦を敢行する理由と動機についての発言である。
いまや、セオリーのひとつになりつつある「3カド」はそのひとつ。勝つための最善策を最優先にする姿勢は、ファンの期待に沿うものだ。

そのスタイルに対し賛否あるのは本人が最も承知していること。
ただ、否定的な意見があろうとも、「折り合い」や「妥協」「忖度(そんたく)」を排し徹底的に戦わんとする姿勢は、ファンの生きがいであり続けたいと願うところから発せられている。

戦いの舞台・三国は通算優勝回数41。その内、周年記念競走V3(2006・2011・2015年)、近畿地区選手権V3(1997・2001・2017年)、モーターボート大賞V2(2001・2009年)と圧倒的な成績をマークしている。また、今年は8回目の正月レース優勝も成し遂げている。

ベテランの域に達してなおレースは若々しく、昨年11月の浜名湖周年記念はなんと5コースからまくりを決めての優勝だった。

本命党に応えるとともに、何かを起こすなら…という期待を具現化するのが今垣光太郎である。

全国

全国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
7.42 56.94 66.99
優出 優勝 平均ST 出走回数
8 6 0.17 209
三国

三国成績

2022年8月1日~2023年7月31日
※ 選手責任外は含みません

勝率 2連率(%) 3連率(%)
9.17 86.67 90.00
優出 優勝 平均ST 出走回数
3 2 0.17 30