ピックアップレーサー記者コラム

3897
白井 英治
山口支部

GP出場の可能性残し、

人事を尽くす

白井英治にとっては痛恨の夏となってしまった。8月に浜名湖で行われたSGボートレースメモリアルで優勝戦に乗る活躍。メモリアル3年連続優出と今年も夏男が本領を発揮した。しかし3回目のSG制覇を狙った優勝戦で悪夢を見ることに。4コースからスリットラインを先頭で通過したが、これがプラス02のフライング。悔やんでも悔やみきれない勇み足となってしまった。SG優勝戦Fの罰則は1年間のSG選出除外とF休み消化後6カ月間のG1・G2選出除外と非常に重い。しばらくひのき舞台に立てない時期が続くことになる。しかし白井の22年シーズンはまだ終わってはいない。SG選出除外中でもグランプリだけは例外のため出場可能。白井は賞金ランキング9位(8月31日時点)につけており、年末の大村SGには出場できそうな状況なのだ。グランプリ初制覇という今年最大の目標がまだ残っているだけに、白井が攻めの姿勢を緩めることはないだろう。グランプリでの戦いを優位に進めるためには、F休みに入るまでのG1戦線で結果を残して賞金ランキングをひとつでも上げておくことが重要だ。特に地元の徳山周年は大事な一節になってくる。14年ぶりの徳山クラウン奪還を狙いたい。

3942
寺田  祥
山口支部

運なかった今年を

耐え忍び賞金25位

今年の寺田祥はどうも大舞台で運に見放されがちな印象だ。6月の唐津グランドチャンピオンでは2連対率42位の低勝率モーターを引き、5・6・6着で2日目に私傷病のため途中帰郷。7月の尼崎オーシャンカップでも2連対率49位の低勝率モーターを引いてしまい、5・4・5・6着で3日目に私傷病のため途中帰郷となった。さらに8月の浜名湖ボートレースメモリアルでも引いたモーターは2連対率46位の低勝率機。予選49位の惨敗で節間0勝に終わっている。思えば今年は4月の戸田周年で骨折のアクシデントもあった。厄年はもう過ぎている寺田だが、厄払いしたくなるような運の悪さだ。そんな寺田だが2月の中国地区選手権で優勝、4月の宮島周年で優出4着、5月の鳴門周年で優出2着に入るなど、随所に好走を見せて賞金ランキング25位(8月31日時点)に踏ん張っているのはさすがのひと言。2年ぶり4回目のグランプリ出場を狙える位置にしっかりつけている。グランプリ出場ボーダーまでの差は450万円程度。徳山周年で結果を残せば一気に逆転できる差だ。寺田は徳山周年最終日の2日後、9月20日に44歳の誕生日を迎える。徳山クラウン制覇をバースデイの前祝いにしたいところだ。

3415
松井  繁
大阪支部

徳山では通算2優出?

王者巻き返す

松井繁は徳山通算2優出1Vという意外な数字。06年の徳山周年で優出4着、20年の徳山一般戦で優勝、これが当地優出歴のすべてだ。松井にとって2優出という成績は、全国24場のなかで江戸川(1優出)に次いで2番目に少ない数字。なぜかこの水面は相性が良くない。徳山SG・G1も現在6節連続で予選落ち中。今回の徳山周年では久々の当地G1準優出を狙いたい。近況の松井は夏場に優出ラッシュを見せるなどリズム上々だ。7月の住之江G3企業杯でオール3連対Vを飾ると、翌節の若松一般戦でも9戦8勝のオール3連対Vで圧勝。さらに浜名湖一般戦で優出2着、桐生一般戦で優出3着、住之江お盆レースで優出3着に入り、7~8月は5節走って5優出2Vの活躍だった。8月末の浜名湖ボートレースメモリアルが家事都合のため急きょ欠場となってしまったのは残念だったが、徳山周年には良い状態で臨めることだろう。松井は現在賞金ランキング35位(8月31日時点)。グランプリ出場はもちろん、チャレンジカップ出場にも黄信号がともっている。秋の記念戦線で王者がどこまで浮上してくるのか注目だ。相性の良くない徳山で結果を残せば一気に勢いに乗ってくるかもしれない。

3960
菊地 孝平
静岡支部

意外なメモリアル3着で、

まず賞金6位以内へ

逃がした魚は大きかった。菊地孝平は8月の浜名湖ボートレースメモリアルで予選トップ通過の活躍を見せ、準優では道中逆転の1着を奪って優勝戦ポールポジションを獲得。地元SG制覇へ王手をかけた。しかし1号艇で迎えた優勝戦でインからコンマ19の6番手スタートという菊地らしくない痛恨の立ち遅れ。それ以前に3回乗った浜名湖SG優勝戦ではコンマ05、03、04といずれも弾丸ショットを決めていたが、自身初の地元SG優勝戦1号艇という重圧は菊地ほどの名手でもスタート勘を狂わせたか。結局フライング艇にまくられる不運も重なり、イン戦3着に終わって優勝を取り逃した。もし優勝していれば賞金ランキングトップに躍り出るところだったが、3着賞金1000万円の上積みにとどまって賞金ランキングは7位(8月31日時点)に。7年連続11回目のグランプリ出場へは大きく前進したものの、トライアル2ndから出場できるベスト6入りを果たすには9・10月の記念戦線で結果を残すことが必要になってきた。すなわち菊地にとって徳山周年の重要度が一段と増したことになる。昨年の徳山周年では予選2位の活躍で優出6着に入っているだけに、今年もV争いを沸かせる走りを見せたいところだ。

4205
山口  剛
広島支部

今年の賞金トップを快走中!

徳山も好相性

山口剛は今年8月23日に40歳の誕生日を迎えた。08年に25歳で新鋭チャンプに輝き、10年に27歳でSG初Vを飾るなど早くから頭角を現して活躍してきた山口も、気がつけばもう不惑だ。時の流れを感じずにはいられない。そんな山口が惑いなき走りを近況見せている。今年に入って2月の戸田周年で優出3着、4月の宮島周年で優出2着に入ると、6月の常滑周年で優勝して約3年6カ月ぶりに記念タイトルを獲得。さらに6月の唐津グランドチャンピオンで優出6着、8月の浜名湖ボートレースメモリアルで優出2着とSG戦線でも次々と結果を残してきた。着々と賞金を上積みして今年の獲得賞金は7000万円を突破し、あれよあれよという間に賞金ランキング1位(8月31日時点)にまで浮上。10年以来となる12年ぶり2回目のグランプリ出場に悠々と当確ランプがともった。賞金王戦線をリードする存在となった山口が徳山周年でどんな走りを見せるのか楽しみなところだ。徳山では09年に中国地区選手権で優勝するなど通算5優出2Vと相性上々。徳山周年は2年連続優出中で、20年は優出4着、21年は優出3着に入っている。今年の徳山周年でもひと暴れして賞金をさらに上積みすることになるのか。

4238
毒島  誠
群馬支部

チャレンジカップF休みで

徳山は勝負どころ

滑り出しは上々だった。今年の毒島誠は1月の尼崎周年で優出4着、1月の芦屋周年で優勝、3月の大村ボートレースクラシックで優出5着、3月の下関周年で優出3着と、年始から記念レース4節連続優出をマーク。スタートダッシュに成功した。ところが4月以降は一転、SG・G1を7節走って優出ゼロと急ブレーキ。春からリズムが崩れ始め、夏場に入っても立て直しきれなかった。そんな状況に追い打ちをかけるように、8月の桐生お盆レースで手痛いフライング。これによりボートレースダービー終了後の10月31日から30日間のF休みに入ることが決まり、11月のチャレンジカップには出場できなくなった。毒島は13年オーシャンカップから9年間以上もSGに出続けていたが、SG連続出場の記録が75でストップすることになってしまった。賞金ランキングは現在10位(8月31日時点)でグランプリ出場圏内。しかし他の選手より1カ月ほど早くグランプリ選考期間内の出走を終えることになるため形勢は不利だ。6年連続9回目のグランプリ出場へ黄信号をともさないためにも、秋のG1戦線で結果が欲しいところ。徳山周年は16年に優勝した経験のある大会だけに、大事な勝負どころのひとつとなってくる。