2連対率が最高級の成績で、選手間からの評価も最も高い水準をキープする現在の多摩川エース格だ。前操者となる金子猛志は「自分は完全な出足型にしているから伸びは下がらないくらいだけど、普通のペラなら後ろから前に行く機。エースだと思うよ」と、そのモーター地力を評価している。どちらかというと実戦系で、トータルにスキのない脚質になるケースが多い。総合力上位のモーターと言えるだろう。

5/28～開催されたG3サントリーC、使用2節目の高橋勲が「出足はお化け」とその脚力を評価。見事予選首位から逃げて優勝も果たした。優勝はその1回のみではあるが、継続的に出足、実戦足系のパワーは高いレベルを維持している。ストレート系はついても中上級いっぱいだけに、選手によってやや評価が分かれる部分があるモーター。ただ、出足重視の調整を好む選手からは抜群の評価を得るし、好結果のケースが多い。

8/8～開催されたスポーツニッポン賞で、山田哲也が優勝。一気に覚醒させたモーターだ。ストレート系を軸に強力なパワーを発揮し、山田からは「これがエース機」という推しコメントも出ていた。操縦系にピーキーな部分が出る不安要素と、まだ2連対率がトップ機に届かず実績という面での疑問符から少し評価を下げたが、伸び系の脚質からくるパンチ力という部分では、上の2基を上回るかもしれない。

使用2節目となった5/28～のG3サントリーCで、今年旬な選手・前本泰和が調整を加えてから、7節間使用されている。そのいずれの乗艇選手も行き足～伸び系統は上位と言える出来に仕上がっている。ターン足系統、操作系に大きくウエイトを置きすぎる調整だと、足の良さが消えるケースが多い。伸び系イメージの機で調整ゾーンは狭そうではあるが、本体資質では上の3基にもヒケを取らないはずだ。

9/11～開催の日刊スポーツ賞で、杉山裕也が2コース差しで優勝。「出足にも伸びにも反応させられるし、エンジン自体がいいと思いますよ」と、その本体素質をジャッジしていた。杉山の言葉どおり、初速から三速までの調整ゾーンは広そう。操作系に難しさは出るが、強烈な伸び仕様にもできる機。伸び調整の使い手が乗れば、もうかなり面白みがあるかもだ。

5/20の初下ろし使用者の森作雄大から、安定した二・三速の強さを見せるモーターだ。7/26～開催の東京中日スポーツ賞では、廣瀬真也が3カドから展開を誘っての差し技で優勝も果たしている。廣瀬は「行き足からが良く、中間速がずっといいですね。伸びにつながるし、ターンしての感じもすごくいい」と仕上がりに対して満足していた。全速だとしっかりスローからも伸びる実戦型の伸び系良機だ。

7/26～開催された東京中日スポーツ賞で、新人の柳瀬幹太が何と初の予選通過をトップで決めたモーターだ。準優1枠戦は中ヘコミ隊形に泣いて敗退となってしまったが、「伸びがすごくいいし、回ってもいい」と仕上がりについてはコメントしている。前回使用者となる畔柳俊吾は、近況ペラに迷うことが多く、もう一つパワーを発揮していなかったが、名手集う記念戦なら再覚醒は間違いなしか。

8/15～開催された多摩川お盆シリーズで、永井彪也がイン濱野谷憲吾を4カドからのまくり差しで下して優勝したモーター。永井はレース足系という印象だったが、その次節乗り継いだ地元ベテランの西田靖は、強力な行き足スリットの足を仕上げて暴れている。抜群の伸び仕様とはならないが、実戦系で調整幅が広そうな印象。シリーズ早い段階からの仕上がりに期待できるかもだ。