レース展望

 2021年のSG戦線が開幕だ。「SG第56回ボートレースクラシック」が3月23日~28日までボートレース福岡で開催される。激しい出場権争いを勝ち抜いてきた52選手が博多に集結。権威ある"総理大臣杯"のトロフィーと優勝賞金3900万円をかけて熾烈な戦いを繰り広げる。

 今大会で最も注目を集めるのは吉川元浩(兵庫)だろう。ボートレースクラシックは2019年戸田大会と2020年平和島大会で優勝しており現在2連覇中。史上初の同一SG3連覇という大偉業を目指して参戦する。吉川にとって福岡は2007年グランプリと2019年ボートレースオールスターでSG優勝2回を誇る水面。さらに2018年のG1福岡周年、昨年11月のG1福岡周年でも優勝しており当地記念4Vというドル箱水面だ。福岡通算勝率は7.96で今大会出場メンバーのなかでトップの数字。優勝候補筆頭といっても過言ではない存在だ。近況も2月のG1近畿地区選手権で優出2着に入るなどリズムは上々。前人未到のクラシック3連覇という歴史的瞬間が訪れても決して不思議ではないだろう。

 峰竜太(佐賀)も見逃せない。昨年のグランプリ覇者が年またぎのSG連続Vをかけて登場だ。昨年24優出14Vという記録的な活躍を見せたは、今年に入っても2月のG1九州地区選手権で優勝するなどさすがの強さを披露。3月の浜名湖戦で約1年半ぶりのFを切ったのがやや気にはなるが、今のならリズムを大きく崩すことはないだろう。福岡相性はまずまずで、当地SGは過去6節走って3優出をマーク。2011年ボートレースメモリアルで優出2着、2013年ボートレースオールスターで優出2着、2019年ボートレースオールスターで優出3着に入っている。福岡SG初タイトルを目指し、まずは初日ドリーム戦1号艇で好スタートを切りたい。

 桐生順平(埼玉)も楽しみだ。2月のG1関東地区選手権で優勝してボートレースクラシックの出場権を獲得。崖っぷちからV条件の過酷な勝負駆けをクリアして福岡行きの切符をつかんだ。昨年は7年ぶりにグランプリ出場を逃すなど苦しいシーズンとなった桐生だが、今年に入ってすでに5優出4Vをマークするなど怒涛の反撃を開始。今年の勝率8.91は(8.84)を上回って全選手中トップの数字だ。福岡はSG優出3回の実績があり、2019年にはG1福岡周年でも優勝している好相性水面。暴れ回る準備は整っている。2015年尼崎大会と2017年児島大会に続く3回目のボートレースクラシック制覇なるか。

 地元の福岡支部からは瓜生正義岡崎恭裕西山貴浩篠崎仁志松田大志郎岡村慶太仲谷颯仁が参戦。7人で遠征勢を迎え撃つ。

 大黒柱の瓜生は福岡でSG優勝3回の実績。2009年ボートレースオールスター、2011年ボートレースメモリアル、2016年ボートレースダービーを福岡の地で制してきた。当地4回目のSG制覇へ期待は高まるばかりだ。SG10冠を誇る瓜生だがボートレースクラシックは通算4優出0Vでまだ優勝がない。もしこのタイトルを取れば、SG8大競走グランドスラムへチャレンジカップを残すのみとなる。

 西山への期待も大きい。昨年はG1初Vやグランプリ初出場など大躍進のシーズンに。今年に入っても1月のG1江戸川周年で優勝するなど勢いは増すばかりだ。そんななかで迎える地元SGなだけに、SG初タイトルへ意欲は高まっていることだろう。頂点に立つ姿を多くのファンが待っている。

 また現役最多の福岡13Vを誇る篠崎や、ボートレースクラシックは過去4回出場して2優出と相性が良い岡崎、昨年7Vをマークするなど目覚ましい活躍を見せた松田、3年ぶりのボートレースクラシック参戦となる仲谷、悲願のSG初出場を果たす岡村にも注目したい。

 その他では福岡SGで優勝歴を持つ菊地孝平(静岡)、石野貴之(大阪)、新田雄史(三重)や、ボートレースクラシック通算9優出2Vを誇る松井繁(大阪)、昨年のグランプリシリーズに続くSG連続Vがかかる深川真二(佐賀)、2018年に浜名湖ボートレースクラシックで優勝している井口佳典(三重)、昨年SGタイトルを取った徳増秀樹(静岡)、寺田祥(山口)、深谷知博(静岡)、毒島誠(群馬)、1月の尼崎周年で優勝するなど好調な丸野一樹(滋賀)、2月の地区選で優勝して勢いに乗る馬場貴也(滋賀)、茅原悠紀(岡山)、興津藍(徳島)、松尾拓(三重)らに注目したいところ。また昨年レディースチャンピオン覇者の平山智加(香川)と昨年クイーンズクライマックスを制した平高奈菜(香川)の女子レーサー2人も楽しみだ。

(※データはすべて3月2日現在)